2月の京都を選んだあなたへ
「本当は桜や紅葉の季節に来たかったけれど、日程の都合で2月になった」
そんな方も、決して少なくありません。
確かに2月の京都には、華やかな桜も鮮やかな紅葉もありません。しかしその代わりに、この時期にしか出会えない、日本人の心を揺さぶる花があります。
それが、「梅」です。
2月の京都は、梅が見頃を迎える季節。せっかくこの時期に訪れるなら、少しだけ視点を変えて、梅が告げる「春の兆し」を探しに行きませんか?
なぜ2月は「梅」なのか?
静かに春を告げる花
梅の開花は、例年1月下旬から3月上旬にかけて。京都では2月がちょうど見頃にあたります。
まだ空気は冷たく、木々も葉を落としたまま。その中で、ほのかに香りを放ちながら咲く梅の花は、春の訪れを静かに告げる存在です。
桜のように一斉に咲き誇る華やかさはありませんが、だからこそ一輪一輪に目が向きます。寒さの中で咲く梅の姿に、日本人は昔から「季節の移ろい」や「忍耐」「兆し」を重ねてきました。
日本人が梅に込めた想い
梅は、日本において非常に古い歴史を持つ花です。奈良時代、中国から伝わったとされ、当初は桜よりも高貴な花として愛されていました。
『万葉集』に登場する花の数を見ても、桜より梅のほうが多く詠まれています。これは、当時の人々が梅を季節の象徴として、強く意識していた証でもあります。
また梅は、「厳しい寒さの中でも、いち早く花を咲かせる」ことから、
- 学問(たゆまぬ努力)
- 忍耐(寒さを耐え抜く強さ)
- 再生(新しい季節の始まり)
といった意味を持つ花として捉えられてきました。
2. 北野天満宮と「飛梅伝説」
京都で梅を語るうえで欠かせないのが、北野天満宮です。
北野天満宮は、学問の神様として知られる菅原道真を祀る神社。道真は生前、梅をこよなく愛した人物として知られています。
有名な逸話として、道真が太宰府へ左遷された際、京都に残した梅の木が主人を慕って飛んでいった、という「飛梅伝説」があります。この話からも、梅が単なる植物ではなく、感情や記憶と結びつく存在として捉えられてきたことがわかります。
北野天満宮の神紋が梅であることも、その象徴です。境内には多くの梅の木が植えられ、2月には紅梅・白梅が静かに咲き誇ります。
ここで見る梅は、単なる「季節の花」ではなく、日本人が長く大切にしてきた価値観や物語と結びついた存在なのです。
2月に訪れたい!京都の梅スポット3選
1. 北野天満宮(上京区)
京都で梅といえば、まずはここ。菅原道真公ゆかりの「天神さん」として知られる北野天満宮には、約50種・1,500本もの梅が植えられています。
見どころ:2月初旬に開園する梅苑「花の庭」。2月下旬からはライトアップも行われ、昼間とはまったく違う、幻想的な夜の梅を楽しむことができます。
注目イベント:2月25日の「梅花祭」。菅原道真公の命日にあわせて行われる神事で、上七軒の芸舞妓さんによる野点(屋外の茶会)も行われ、京都らしい文化と梅が同時に味わえる一日です。またこの日は毎月の縁日「天神市」の日で、多くの人で賑わいます。


2. 城南宮(伏見区)
SNSでも話題沸騰の、息をのむほど美しいしだれ梅の名所です。
見どころ:神苑に咲き誇る約150本のしだれ梅。地面に散った赤い椿と、頭上から降り注ぐように咲くしだれ梅が織りなす風景は、「まるで絵画のよう」と評されるほど。
2026年日程:「しだれ梅と椿まつり」は、2026年2月18日(水)〜3月22日(日)に開催予定です。

3. 京都御苑(上京区)
街歩きの途中に、気軽に立ち寄れるのが京都御苑の梅林です。
見どころ:約200本の梅が植えられており、白梅・紅梅がバランスよく咲き誇ります。視界を遮るものが少ない開放的な空間で、散策しながら自然に梅に出会える、落ち着いた雰囲気のスポットです。
おわりに|2月の京都だからこそ、できる旅
2月の京都は、華やかさこそ控えめですが、その分、季節や文化の背景に目を向けやすい時期でもあります。
梅をきっかけに、
- 日本人がどんな花を大切にしてきたのか
- なぜ2月にこの花が咲くのか
- 花と信仰や歴史がどう結びついてきたのか
そんな視点で京都を歩いてみると、旅の印象はきっと変わります。
そして、もし「見る」だけでなく、もう一歩深く日本文化に触れてみたくなったら、
日本文化体験プログラムもご用意しています。
季節や背景を知ったうえで体験することで、京都での時間はより立体的なものになるはずです。
